映画『哀愁しんでれら』 ネタバレ感想 ラブストーリーからサスペンススリラーに。ジャンルのスライドが見事!

映画

こんにちは。サンチョです!

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」(略してTCP)の受賞作としては6作目の劇場作品となる『哀愁しんでれら』を観てきました。

昨年末の『水上のフライト』、2021年公開予定の『裏アカ』と、ここ最近TCPの作品が続々と映像化されていますね。

2015年から始まったまだ若い賞ですが、受賞すれば映画化が保証される面白い企画なので結構注目しています。2020年受賞作品の『三人の柄本明(仮)』はもうすでに楽しみにしています(*^-^)

ちなみに初代グランプリ作品は高橋一生さんと長澤まさみさんの『嘘を愛する女』です。

この記事は『哀愁しんでれら』のネタバレが含まれます。
未鑑賞の方はお気をつけ下さい。

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『哀愁しんでれら』 基本情報

「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」グランプリ受賞作。
渡部亮平監督のオリジナル脚本。

あらすじ

引用) YouTube 映画配給会社クロックワークス公式チャンネルより

児童相談所で働く⼩春は、⾃転⾞屋を営む実家で⽗と妹と祖⽗と4 ⼈暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な毎⽇を送っていました。 しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ⼀晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8 歳の娘・ヒカリを男⼿ひとつで育てる開業医の⼤悟。優しく、裕福な⼤悟は、まさに王⼦様。「ただ幸せになりたい」と願う小春は、出会って間もない彼のプロポーズを受け⼊れ、不幸のどん底から⼀気に幸せの頂点へ駆け上がりました。 シンデレラの物語ならここで“めでたしめでたし”。 しかし小春の物語はそこでは終わりませんでした…

引用:映画「哀愁しんでれら」公式サイトより

STAFF/CAST

CAST

情勢の影響で公開日が前後しましたが、土屋太鳳さんと田中圭さんは『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』でも夫婦役らしいです。すでに夫婦役を演じられていて信頼関係が構築されているからなのいか、ラブシーンがすごかったです…。直接的なエロさではなく、会話中に手を撫でるシーンとかがリアルでした。ゴチでも1年間共演されているので、年齢差はあれど違和感なく見れます。

STAFF
  • 脚本・監督 : 渡部亮平 (その他の作品)
  • 音楽 : フジモトヨシタカ
  • 撮影監督 : 吉田明義
  • 美術 : 矢内京子
  • GAFFER : 浦田寛幸
  • 録音 : 根本飛鳥
  • 編集 : 岩間徳裕

脚本・監督にクレジットされているのは渡部亮平さん。テレビドラマ版『時をかける少女』や『3月のライオン』の脚本をされています。オリジナル脚本の商業映画は今作が初めてだそうです。

登場人物

福浦小春

開業医の泉澤大悟と結婚し幸せに過ごす。過去に母親に捨てられており、子供に愛を注がない親を嫌悪している。

泉澤大悟

8歳の子供を持つ開業医のシングルファザー。娘が懐いている福浦小春に求婚する。

泉澤ヒカリ

泉澤大悟の一人娘。幼い時に母を亡くしたため、母親の愛情を知らない。

福浦正秋

福浦小春の父。自転車屋を営んでいたが火事で店を失う。

福浦千夏

福浦小春の妹。高校3年生。東京の大学に通うために猛勉強中。

福浦一郎

福浦小春の祖父。

泉澤美智代

泉澤大悟の母。高級老人ホームに入居している。

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『哀愁しんでれら』 ネタバレ感想

『シンデレラ・ストーリー』という言葉をご存じでしょうか?

資産家と結婚して急にお金持ちになるなど、簡潔に説明すると一般人女性が超短期間で幸せを手にすることを指します。男女問わず憧れる・羨ましいと思う方は多いのではないでしょうか?

童話『シンデレラ』は「王子様と結婚出来てよかったね。めでたしめでたし」で物語は締まりますが、現実には幸せを掴んだ後の「アフターストーリー」があります。

一般に『シンデレラ・ストーリー』を歩んだ者は幸せというイメージがありますが、いやいや待て待て本当に最後まで幸せに一生を過ごせんのか?とメスを入れたのがこの作品です。

ラブストーリーからサスペンススリラーへのスライド

この映画の魅力の一つは映画ジャンルが前半から後半にかけてスライドすることです。

前半はファミリーもののラブストーリー
イヤというほど小春大悟のラブラブっぷりを見せつけられました。ほんとゴチそうさまです!
どん底に落ちた一夜から大悟と結婚するまでの流れはまさにシンデレラストーリー。付き合いは短くともお互いを信頼し合っており、このまま「めでたしめでたし」で終われば後味すっきりのラブストーリーです。イチャイチャしてるところに子供が入ってくるのは笑いました(≧▽≦)

また小春に懐くヒカリの可愛らしさや大悟が小春の家族と仲良くなっていく感じなど本当に幸せなファミリー映画といった感じでした。

「シンデレラ・ストーリー」を作る上で難しいのは短期間の付き合いでどう結婚させるかだと思っているのですが、命の恩人と理由で二人を急接近させたのは上手かったと思います。

「子供が懐く」、「大悟の年齢の事情」と早く結婚したい理由もしっかり描写されていたのでスピード婚に違和感はありませんでした。プロポーズの返事を貰えたその日のうちに婚姻届けを提出しようとするあたり、後半の大悟の常識外れさの片鱗も出ていましたね。

映画の中盤からはサスペンススリラーに物語が変貌していきます。

大悟が常に鍵をかけている部屋ヒカリの部屋にある顔が繰りぬかれた写真など少しずつ、でも確実に場面の空気が変わっていく演出は見事でした。

大悟の部屋も入ってみれば、彼の趣味が詰まった部屋でしたがスローで不安を煽るような演出をわざとされていて、自画像や動物の剥製が気味の悪いものに映りました。あの部屋にいるシーンは空気がぬるっとしてるんですよね。

そしてこの物語で一番怖かったのが娘のヒカリ。好きな男の子に構ってほしいだけであれば可愛らしいのですが、年齢の割にどこか計算高く、一つ一つの行動が不気味陰湿なんですよ…。自分で筆箱捨てて盗まれたと泣いたり、弁当の中身食べずに捨て、親に弁当を作ってもらえない可哀そうな自分を演出したり…。

幸せから一転、掴み所のない娘モンペでかつ人を見下すクセのある夫に板挟みにされ、徐々に精神が病み、壊れていく小春を見ているのは辛かったです。

インスタグラマー・COCOの素晴らしい演技

この映画において、最も重要な役割を担っていたのが泉澤ヒカリだと思います。
泉澤大悟の異常性を引き出すのも、福浦小春が壊れていく原因を作り出すのも泉澤ヒカリ。ヒカリの純粋すぎる悪意が両親もクラスメイトも先生も振り回し、この映画をホラーな部分を作り上げていました。

ただの無邪気な女の子というわけでもないため、かなり難しい役だったのではないかと思うのですが、COCOさんは銀幕デビュー作にして怪演を見せてくれました。

この先も役者として活動するのかはわかりませんが、彼女の出演する作品はとても楽しみです

インスリンの投与シーンについて

糖尿病患者が行うインスリン注射ですが、健常者がインスリンを過剰に摂取すると低血糖となり、最悪の場合死に至ります。

最後の学校のシーンで倒れていた子供達は低血糖昏睡を起こしていたのでしょう。脳はブドウ糖のみをエネルギーとしているため、血液中の糖が不足すると正常に機能しなくなり、重症の場合は死に至るそうです。

最後のインスリン投与に向けた伏線の置き方は見事だったと思います。

序盤、謎に出てきたインスリンを過剰摂取というワードと中盤に出てくるインフルエンザの予防接種の話。見てるときには必要の感じないシーンが物語の流れを斬らないように出てきているんですよね。伏線が出てきたタイミングの物語の筋には関わらないが、頭の片隅に引っ掛かるように作られていてお見事でした!

評価

評価: 4.0  面白かった!オススメできる
評価軸

☆5 最高!万人にオススメ!!
☆4 面白かった!オススメできる
☆3 満足。
☆2 微妙…。
☆1 好みではない

最後に

テーマを変えずに映画のジャンルが変わっていく作品は1本の映画で2度楽しめるような気持ちになっていいですね。TCPのサイトのインタビューにて、渡部亮平監督がまたジャンルが変わる作品の構成を考えていると答えていたので楽しみにしています!

TCPの企画を今回初めて知りましたが、なかなか面白い企画ですよね。2021年は注目したいと思います!

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