こんにちは。サンチョです。
12月1本目の映画としてこちらの作品を観てきました!
アンフェアシリーズを手がけた秦建日子さんが原作の映画が公開されるとのことで、前々から楽しみにしていたのですが……ちょっとツッコミどころが多いなといった印象でしたね…
マイナスのイメージをいきなり述べてしましたが、これから『サイレント・トーキョー』感想を記載していこうと思います。
途中からネタバレも含まれますので、未鑑賞の方はお気をつけ下さい。
サイレント・トーキョー 基本情報
あらすじ
12月24日、東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。半信半疑で中継に向かった来栖公太は、そこにいた主婦・山口アイコとともに犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてゆく。その様子を朝比奈仁が静かに見つめるなか、爆発は起きた。そして次の犯行予告が動画サイトに上げられる。「標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との生対談。期限は午後6時」。独自の捜査を行う刑事・世田志乃夫と泉大輝、不可解な行動をとるIT企業家・須永基樹、イヴの夜を楽しみたい会社員・高梨真奈美、そして一帯を封鎖する警察、事件を一層煽るマスコミ、騒ぎを聞きつけた野次馬たち。様々な思惑が交差する渋谷に“その時”が訪れる。それは、日本中を巻き込む運命のXmasの始まりだった。
原作 – 秦建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』
STAFF/CAST
主演は佐藤浩市さん…何ですかね?話を動かすのは世田と須永なことが多かったので、西島秀俊さんや中村倫也さん主演だったイメージもあります。
『記憶にございません』を見た時にも思ったのですが、佐藤浩市さんは荒んでいる役が似合いますね。あまり広くない部屋でテレビを観ている姿が何故かしっくりきました。あんな大スターなのに不思議です。
『MOZU』シリーズを観ていた方は西島秀俊さんのキャラクターを見て、あのメチャクチャな公安刑事を思い出した方も多かったのではないでしょうか。笑顔を見せない優秀な刑事がお似合いですね。いきなり銃を突きつけるのはやりすぎですが…
現在(2020年12月)放送中の『七人の秘書』でもそうですが、広瀬アリスさんはなんか観ててイライラしてくる役が上手いですね(笑)危険な場所にいても自分は巻き込まれないと思い込む日本人らしさを表現されていました。
- 監督 : 波多野 貴文
- 脚本 : 山浦 雅大
- 原作 : 秦 建日子
監督はドラマ『SP』シリーズや『ブラッディ・マンデイ』手掛けた波多野貴文さん。
刑事物やサスペンスなど、名だたる作品を監督されていますね。
また原作は『刑事・雪平夏見シリーズ』を執筆された秦建日子さんです。
登場人物
朝比奈 仁
爆弾事件の容疑者
山口 アイコ
爆弾テロに人質として巻き込まれた主婦
世田 志乃夫
爆弾事件を追うベテラン刑事
須永 基樹
事件現場に現れるIT企業家
高梨 真奈美
友人と須永基樹の仲を取り持とうとする会社員
来栖 公太
爆破事件に人質として巻き込まれたテレビ契約社員
磯山 毅
国防自衛の強化を目指す総理大臣
映画『サイレント・トーキョー』 ネタバレ感想
爆破予告された渋谷に集まる日本人
映画の見どころの一つは渋谷スクランブル交差点の爆破シーンだと思います。
実際に渋谷で撮影されたわけではなく、セットを組んでの撮影だったらしいですね。
エキストラの方々の数も多く、映画を見てるときは渋谷にしか見えませんでした!
またこのシーンは爆破予告をされた渋谷に野次馬がたくさん集まり、結果大勢が被害に合うというシーンでした。広瀬アリスさんが演じた高梨真奈美も、心配する友人の忠告も聞かず、「警察もたくさんいるし大丈夫」「(爆破の)時間も場所もわかっているし適度なタイミングで抜ければ大丈夫」と現場に近づいてしまいましたね。
実際、似たようなことが現実で起きたら、日本人はどのように行動するのか考えさせられるシーンであったと思います。
特にここ最近の日本では「ハロウィン」などのイベントごとで渋谷に人が集まることが増えました。
また新型コロナウイルスの流行時も「自分は感染しないから大丈夫」と、あまり危機感を持たずに行動していた方も多かったことかと思います。これに関しては映画館に行っている時点で私も人のことは言えません。
「日本人の危機感の欠如」や「流行への流されやすさ」など、近年の日本の問題を見事に風刺しており、映画を見ながら現実とリンクさせていた方も多かったのではないでしょうか。
ツッコミどころの多い登場人物達
尺の都合もあって余計な部分をカットしたりしていたのでしょうが、見ていて納得できない箇所が多かったです。
まず山口アイコに一切文句を言わない来栖公太。
事件に巻き込まれることになったのは間違いなく山口アイコのせいなのに特に文句も言わず、犯人の支持に淡々と従う姿に疑問を持ちました。爆破予告動画など、もう実は犯人の一味なんじゃないかと疑いたくなるくらいしっかりしたクオリティでした(笑)
須永が結局渋谷で何をしていたのかも謎です。
現場で父親を捜していたとか裏設定があるのかもしれませんが、視聴者に須永が怪しいと思い込ませるためだけに、渋谷をうろつかせていたとしか思えません。
父から爆破規模を聞いていたとはいえ、それを鵜呑みにして渋谷にいるのも、彼がバカにしていた危機感のない愚かな日本人と同じで危険すぎます。
渋谷での爆破後、高梨に問い詰められた際に証拠そのままで別の部屋に行った理由もわからないですし、ITに携わる人間がPCにロックをかけていないとか失笑です。
物語を動かすために行動していた感が否めませんでした。
山口アイコの目的とは
作中で総理大臣との対話を求めていましたが、結局叶いませんでした。
渋谷を爆破した後に命を落としてしまったため、総理大臣とどう対話をするつもりだったのか完全には明らかになっていません。車での朝比奈仁との会話が目的の全てだったのかもしれませんが…
命を落としていまったことで、世間に何も訴えることが出来ませんでしたが、最後に来栖に送られたメールに世間への訴えが記載されていたのかもしれませんね。
渋谷爆破テロを行った上で日本に何を訴えるつもりだったのか気になるところでした。
評価
現代社会に対し問題提示をしているような設定は素晴らしかったですし、大衆の愚かさなどを見事に表現していたと思います。
しかしキャラクターたちが生きておらず、物語を動かすために存在していた舞台装置と化してしまっていたところが残念でした…
最後に
少し辛口の評価となってしまいましたが、尺の問題で描写できなかった箇所の多かったのだと思っています。野間口徹さんが出演されていましたが、何の役で出演していたのかHPのキャストページを見ないとわからないほどでしたし…
私が気になっていた部分も原作では説明されてるかもしれないので、原作の『サイレント・トーキョー: And so this is Xmas』を購入して読んでみようと思います!!
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